批判しない世の中(長文失礼)

腹の探り合い。塾長です、こんにちわ。
ずっと思っていた事がまとまったので書いて行きます。

 

ビリギャル、みなさん御存じかと思います。

私も塾講師なので人並み程度には興味があります。

ビリギャルの要点は
1-1)1年で偏差値30の生徒を1年で40上げて慶応に現役合格
小学校4年生程度の学力だと言われているみたいですね。
1-2)実話である
1-3)素行不良(学校の先生にクズって言われたそうですね)

ということですよね。

これを聞いて、私は以下の様な予想しました。
2-1)もともと勉強は得意な方なのではないか
2-2)志望大学を私立に絞って3教科だけ勉強したのではないか

いろいろ調べてみると、私の予想は大筋では合っているようでした。
むしろ、私の予想よりひどかったと言うべきでしょうか。

初めに断って置きますが、このビリギャルは努力したのだと思います。
それを否定しようとは思いません。
慶応に合格したのですから立派なものです。

しかし、世間で言われているほどの美談なのか?ということです。

なぜかと言うと
3-1)有名私立校出身らしい
推測される学校はどこも上位校であり、小学校4年程度の学力はありえないと推測。
勉強自体は得意な方だと思われます。

3-2)1年ではなく1年半
高校2年の夏から入塾のはず。
だとすると、意識は高めで全く遅くない。

私の宣伝になってしまうかもしれませんが、半年で3教科偏差値10以上上げる事は良くあります。

3-3)偏差値30は国語であって全教科ではない
情報が不確かですが、そうらしいです。あまり問題でもないですが。
校内偏差値の事で全国偏差値では無いらしいです。

3-4)受験教科は英語と小論文のみ(歴史も他学部で受験するも不合格)
この二つを1年半かければ良いわけです。

3-5)塾代 年間100万円以上
これも不確かですが、通い放題だとそうらしいです。
余裕があれば使える物は使うべきです。問題ありません。

これだけ見ても、ごく一般的な話であり全く美談ではなくなります。
少なくとも、巷で言われているような感動劇では無いのではないでしょうか。

去年、うちの生徒で12月の時点で合格率20%未満の生徒が合格しました。
そっちの方がよっぽど奇跡だと思います。
結論は以上ですが、長くなりますが細かく私の意見を申し上げます。

 

まず、1-1)1年で偏差値30の生徒を1年で40上げて慶応に現役合格ですが、私大目標で科目を絞れば無理が無くなります。

悪いという事では無く、過大評価しすぎということです。
塾講師ならではの作戦で、私も同じ指導をします。

これが、全教科偏差値30前後で、そこから全教科偏差値70にして国立大学合格だったら本物だと思いますよ。

1-3)素行不良(学校の先生にクズって言われたそうですね)
ですが、普通の生徒にこんな事を言う先生はいません。
なんらかの原因があるはずです。

しかし、褒められた指導では無いとは思いますが、片方だけの言い分だけ聞いて判断するわけには行きません。

『ダメな人間などいません。ただ、ダメな指導者がいるだけなのです』
『地頭が悪い子などいない。学習進度が遅れているだけ。遅れた地点からやり直せば、低偏差値の子でも1~2年で有名大学、難関大学への合格は可能となる』

と、この塾の先生は言っていますが、半分ぐらいは同意です。
どこかのブログにも書いてありましたが
『子供は才能に満ちあふれていて、誰でも天才』
だと。

才能に満ちあふれているとは思いますが、ちょっと違いませんでしょうか。

その才能は、主要5教科以外かもしれないですよね?
なので、死ぬ気で頑張っても東大合格レベルにならない子もいると思うんですよ。

私がいくら練習しても歌がうまくならないように、いくら練習しても裁縫がうまくならないように・・・・

その真逆もしかり、少しの勉強で東大合格レベルになる子もいると思います。

反論することがはばかられる聞こえの良いきれい事だけを並べて夢を見させ、
実際は違うということを未来の自分に自覚させる無責任な言葉だと思います。

 

私は生徒たちに嘘は言いたくありません。
と言うのは、才能があるかどうかは問題にしていません。
努力以外の才能は認めていません。

結果はどうあれ、みんなが嫌なことをどれだけ努力できるか。
学校の勉強は、その努力を測る物差しにすぎない。
努力する才能は後から付け加えられます。

努力したことに自信を持ってもらいたいのです。

そうすれば、勉強以外の事にも努力出来ますし、それこそ他の才能を伸ばせるのではないでしょうか。

過去に死ぬほど頑張った記憶があれば、それを糧に生きて行けます。

こういう、子供を神の子のように扱う人たちは
『指導者が悪い』
『親が悪い』
と言いますが、これって親が子供をダメだししている事に似ていると思います。子供を擁護し、親や教師を批判するのは賛同を得られやすく簡単です。

ビリギャルは、ビジネスとしては成功していますが教育としてはいかがなものでしょうか。

好き放題やってきた恵まれた子が急に真面目になって勉強したら褒めるより

普段から一生懸命勉強している子こそ賞賛すべきではないでしょうか。

また、勉強したくても意欲があっても出来ない環境の子に環境を与える事こそ課題ではないでしょうか。

一般の方はまだしも、塾業界の人間までもがビリギャルフィーバーです。
私の意見は少数派なのでしょうか。

 

反対意見が少なかったので書くのが少し不安でしたが、ずっと思っていた事を書きました。

長文を読んで頂きありがとうございました。

 

やる気

鶴の台小と相模女子小の運動会の応援に行ってきました。

どちらも盛り上がっていて大変よい運動会だったと思います。

都合により6年生の演技を中心に見ていますが、毎年6年生の演技(公立は組体操)には感動して涙を流しております。

早くも『卒業していくんだなぁ』という思いが込み上がってきます。

 

鶴の台小には、お世話になったのでPTA本部席に挨拶をして記帳を済ませてから応援しました。幸い問題無く応援できました。(なぜか私が塾講師だとご存じのようでした)
相模女子小の運動会で騎馬戦を見たのですが、帽子や鉢巻きを取るだけではなく、騎馬が崩れるまで戦うというルールでした。
職員が、子供が怪我をしないように周りに何人もサポートとしている騎馬戦で、学校側のやる気がとても感じられました。

怪我しやすい競技は無くなって行く何かとやりにくい現代ですが、こういったやる気というのは、やってみれば理解されるものではないでしょうか。

 

一つより 百まで数へ 学びては もとの初心と なりにけるかな

(無外流百足伝)

 

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